2021年12月08日

久々に読了

オンラインが当たり前になり、スマホのアプリも近年だいぶ充実して
通勤時間の使い方が読書からメール処理に変わりつつある今日この頃。

特にこの夏、前職でお世話になった方から著書をいただいた。
ある分野の書籍に造詣が深く、それらをあるテーマでまとめた本で
連載を単行本化したので同じ構成でいくつもの事例が並ぶ
言い換えればやや単調な本でした。
ただ「良かったら感想を」と言われていたので夏休みの宿題のような気持で
読んでいたのですが秋風が吹いても一向に進まず…
途中から諦めて、1事例ずつ寝る前に読もう と通勤カバンから出しました。
(いまだ枕元にあるのですが…汗)

で、ようやく次の本と思って
読まれるのを待っている山の中から取り出したのがこれ。
 眠れないほど面白い 空海の生涯 1200年前の巨人の日常が甦る! (王様文庫) [ 由良 弥生 ] - 楽天ブックス
眠れないほど面白い 空海の生涯 1200年前の巨人の日常が甦る! (王様文庫) [ 由良 弥生 ] - 楽天ブックス

眠れないことはありませんでしたが読みやすかったです。
空海と言えば司馬遼太郎さんの「空海の風景」が有名ですが、
その足跡をもっと物語風に、仏教用語の解説も挟みながら
描いているという感じでしょうか。
面白いのは善道尼という架空の尼さんを登場させて物語を成立させているところ。
久々に読了できて満足です。

空海と同じ讃岐の流れを持ち、我が家の宗派も当然真言宗。
加えて土木技術者としての一面を持つとなれば
その人物はかなり興味深く、気になる本は手に取るようにしています。
古本しかないものもありまだ読めずにいる本もありますが、
本との出会いも縁なんですよね。縁があればそのうち読めるでしょう。

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2020年11月04日

「鐘よ響け」から

朝ドラ「エール」で吉岡秀隆さんが演じた永田医師。
『長崎の鐘』の著者の永井博士がモデルです。
たった2日の出演だったのにも関わらず、さすがの存在感で
このドラマのテーマともいえる部分を、そのまま台詞で言う重要な役です。
あまりの迫真の演技に永井医師はどんな方だったんだろうと
少し興味を持っていました。

まさにこれも縁なのでしょうが、そんな風に思っていたところ
たまたま大学の購買部で
長崎の鐘 (アルバ文庫) - 永井 隆
長崎の鐘 (アルバ文庫) - 永井 隆
に遭遇しました。

新刊などをぼんやりチェックしながら、何の気なしに聖書のコーナーにも目を向けたところ
このタイトルが目に飛び込んできました。

研究者として投下直後の様子やその後の原爆症の症状や治療法について
被爆者としての自分の体調変化などを綴っていています。
ご本人の気持ちも書かれていますが、それすら被爆者の心理描写を
後世に書き留めているように感じ、研究者としての使命感を感じます。
その後、各国の言葉で翻訳されたことにも納得しました。

被爆国の国民として一度は読んでおくべき本ではないかなと思いました。
文量もさほど多くなく、すぐに読めます。

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2020年09月22日

横濱王

私の読書タイムは長い通勤時間なのですが、
この半年 通勤をあまりせず、通勤した時はテレワークで増えたメールの処理などに
取って代わられ、なかなか読書タイムを取り戻せずにいました。

主人公、瀬田目線の“横濱王”原三渓を描いた小説です。
原三渓といえば三渓園をすぐに思い出す人も多いのでしょう。
恥ずかしながら私は結構な大人になるまで三渓園は
3つの渓谷を思わせるような造りになっている日本庭園なのかな
くらいの興味しかありませんでした。
その後、横浜の財閥、原三渓という人が作ったから三渓園ということを知りますが
ただそれだけで原三渓に大した興味も持ちませんでした。
さらに茶人であったとか美術愛好家ということを知っても、
お金持ちの趣味程度にしか思っていませんでした。

それが急に気になりだしたのは、昨年の横浜美術館の特別企画
『原三渓の美術 伝説のコレクション』
このときのポスターの孔雀明王でした。
これまで見た中で一番好きなお姿で、これは見に行きたい!と。
そこではじめて原三渓がただの道楽で美術品を集めていたわけではないと知りました。

それからしばらくして本屋で見つけた文庫がこれ。
横濱王 [ 永井 紗耶子 ] - 楽天ブックス
横濱王 [ 永井 紗耶子 ] - 楽天ブックス

気になるタイトルを見つけると、帯や文庫であれば裏のあらすじを読んで
買うか買わないか決めますが、そこに「原三渓」の文字を見付け即購入。
3月に読み始めたのに、通勤しないから読書も進まず
序盤を2回くらい行ったり来たりしてやっと読み終えました。

物語の中にも、私のお気に入りの孔雀明王を井上馨から購入した話も出てきます。
正しいお金の回し方とでも言うのでしょうか。
世の中にきちんと還元させるきれいなお金の使い方。本物の実業家。
自分の“役割”をいつも問い、それを見極める眼力を持った人。
主人公の瀬田と一緒にその人となりを追いかけられました。

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2020年07月29日

今こそ読もう!

オンライン授業も佳境に入って、一通りの配信は終わったものの
最後のまとめ、レポートの添削のweb上のやり取り、採点等々が
いつもと違う仕事量で押し寄せてきている。
そんな中、明日ようやく新入生とリアルにご対面できることもあって美容院に行ってきました。
美容院にはいつも本を持参し、読書タイムに充てているのですが
このバタバタでうっかり忘れてしまいました。

そこでここ数日電車の広告で気になっていた
鹿の王 水底の橋 (角川文庫) [ 上橋 菜穂子 ] - 楽天ブックス
鹿の王 水底の橋 (角川文庫) [ 上橋 菜穂子 ] - 楽天ブックス
を購入。

「鹿の王」は謎の感染症がテーマ、そしてこの「鹿の王 水底の橋」はその続編にあたります。
本来なら、物語の順番のまま読みたいところですが、前者は1〜4巻の長編。
そこで6月12日に文庫化されたばかりのこちらを購入しました。
作者や本の内容によって、あとがきから読むこともあるのですが、
今回はこのコロナ禍の中、上橋菜穂子先生がどんなあとがきを書かれたのか興味があって
あとがき、解説から読み始めました。

この内容が素晴らしい!
全文を日本中の人に読んで欲しいほど素晴らしかったです。
(今はいろんな物にベタベタ触ってはいけない時代なので
 立ち読みしてでも読んで!とは言えませんが…)

全文を読んでこそ意味があると思いつつも、特に共感したところを抜粋します。

読み返すうちに、思わずページをめくる手が止まってしまった一節がありました。物語のラストに近い部分で、安房那候が津雅那に言う、
 何をしようと、我らの拙い努力をあざ笑うかのように、病が千変万化して、人を苦しめ、死に至らしめていく様を、それをただただ見守るしかない虚しさを知っている。
という言葉です。

今も自分にとって最悪のこと―自分が感染して、他者にうつしてしまうことと、重症化して自分の人生が終わること―を、現実に起こりえることと思いながら、このあとがきを書いています。(中略)
(中略)他者にうつしてしまうかもしれないということは、純粋な恐怖です。
 感染症では誰もがみな被害者ですが、同時に、誰もがみな加害者になってしまう可能性がありますから。

今回の新型コロナウイルスは、まるで、手袋をくるりと裏返すように、私たちが生きている世界を反転させました。(中略)
 この裏返った世界の中で、人という生き物の負の側面を顕わに見せてしまう人たちもいれば、思いがけぬほど美しさ、強さを見せてくれる人もいる。医療従事者たちは私たちに、人はこうも在れるのだ、と示してくれています。
 では私たちは?曰はくの知識がなければ何も出来ないのでしょうか?(中略)
 医者ではなくても、私たちは無力ではないのです。むしろ私たちこそが、最も大切な切り札です。
 私たちの最大の武器は知識と想像力と忍耐力、そして他者を助けたいと思う気持ちです。
(中略・一人一人ができる感染対策)それだけのことを、人に嘲笑われようが、何しようが、淡々と実行する。その覚悟ひとつで、他人の命を守るチャンスが生まれる。
 わずか1年かそこいらのことです。やってやろうじゃありませんか。(中略)いまいる場所は、苦しいばかりの場所じゃない。
 私たちはいま、確実に世界史に残る歴史を作っているのですから。


あぁ本当に全文を読んでいただきたい。
確実に世界史に残る歴史を作っている。そう言われるとこんな状況でも勇気が湧いてきます。
同時に、だからこそ後世に笑われないような行動をしなければと思います。
国会でこっそり本を熟読するなら、せめてこういう文を読んで欲しいものです。

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2020年01月30日

今年の癒し

久々に漫画を読んでいる。
某SNSで時々記事としてあがってくるのを読んで
すっかり気に入ってしまった。

犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい(1) (パルシィコミックス) - 松本ひで吉
犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい(1) (パルシィコミックス) - 松本ひで吉

私は犬派ですが、猫も嫌いなわけではなく
古くは『『What's Michael?』、近年では『猫ピッチャー』なんかを
読んだりして、勝手に飼い猫のイメージができてしまっている。
だからこの漫画の犬で盛り上げて猫で落とす そのギャップも大好きで
SNSで記事があがると読まずにはいられなくなっていました。

先日ふと猫好きの同僚に、この漫画の話をすると
「全巻持っています!」
とのこと。
「良かったら貸しますよ〜」
と、すぐに持ってきてくれたので
今の仕事が一段落したら読もう!と心の糧に頑張りました。
で、昨日から読み始めてすでに4巻中2巻を読破(笑)。

やっぱり期待通り♪ サイコ〜♫ 癒される〜〜♥
通勤中も読みながら、一人にやけています。
犬好きも猫好きもぜひ。絶対ハマるはず。


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2019年12月02日

古びないもの

『精霊の守り人』シリーズにハマって読破して以来、
上橋菜穂子さんの別な作品も読んでみたいと思っていました。
職場の購買部で文庫化されたデビュー作『精霊の木』を見つけ、即 買いました。

期待を裏切らず、デビュー作にしてすでにその世界観ができあがっていましたが、
SFとファンタジーの融合みたいな作品で、時代を行ったり来たりするせいか
過去の登場人物が今と結びつかず、2度読みました。
しかも2度目は「夢」に出てくる人物と今との相関図を作りながら(笑)。

巻末には「初版」「新版」「文庫版」と三つの「あとがき」が収録されていますが
このうちの最後のあとがき(今年3月に書かれた)で、
三十年前に書いた文章を人に読まれることを想像してみて欲しい、と投げかけ
「いまの私なら、こうは書かなかっただろう、というところがたくさんあって」とか
「いま読んでみると、描写も展開も息せき切った駆け足状態になっていて」と
書かれているように、作品がまだ若かったため2度読まないと理解しきれない
―今と比べれば―稚拙な表現ということなのかもしれません。
とはいえ大学院生のデビュー作!
その完成度は素晴らしいです。

そして30年前に書かれたとは思えないくらい、今の社会の問題点を映し出していて驚きました。
いつのまにか情報は操作され、気付かないほどの小さな装置で監視され
環境は全て人に合せて管理され、科学のみが先進的で正しいとされる世の中。
先住民族(星人)を支配し、滅ぼし、侵略を正当化する。
未来の地球が滅びたあとのどこかの星を舞台にしていますが
地球人の―今の世界の―醜いところをあぶりだしているようでした。

精霊の木 (新潮文庫)
精霊の木 (新潮文庫)

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2019年11月06日

キテレツな人

タイトルに惹かれて手にとった
小林紀晴著 『写真で愉しむ 東京「水流」地形散歩』  (集英社新書)
写真で愉しむ 東京「水流」地形散歩 (集英社新書)

手にとってから気付いたのですが監修・解説が地図研究家の今尾恵介さんでした。
地図や地形、地名などの著書を多く出されており、その中で地形と川の関係についても
結構出てくるので、比較的好んで読んでいます。
その今尾さんが監修・解説されているなら間違いないだろうという期待もあって
そのまますぐに購入しました。

著者は写真家ですから、当然 水流ー河川―の専門家ではありません。
被写体としての水流が好きなことは良く伝わってきました。
あわせてロマンチストなのだろうなということも。
水流や地形について期待するならやはりテーマごとに解説をつけてくださっている
今尾先生のお話に注目するのが良いと思います。

特に気に入ったのは今尾先生が書かれた「あとがき」の一部で
今年の水害の後に読むとなおさら実感がわきました。
 川に成り代わって言わせてもらうとすれば、沿岸住民を困らせるのは決して本意ではない。まったりした退屈な日々の合間、たまには秋雨前線の気持ちの良い大雨に供給された大量の水を自由に流してみたいのは人情、いや川の偽らざる本心なのである。もともと「削って流す」のが川の仕事なんだから。従来はそれを黙って受け入れてくれた田んぼの沖積地にひと頃から家を建てて永住しようなんていうキテレツな人が激増してしまった。何しろ都心に近いからそれでも役所にしてみれば頻繁に床上浸水するような市街地を放置するわけにもいかない事情もわかる。
今回の災害で、昔からわかっていたことを改めて取り上げて
まるで初めてわかったかのような、体験したかのようなことを言っている人がいますが
川も昔の人もその土地のことは良く知っていて、それを知らない“キテレツな人”が
増えてしまっただけなんですよね。

ちなみに他にも、第一章の神田川と善福寺川の合流点付近の神田川のコンクリートの築堤の表現として
垂直の壁を築いて自然河川を「カミソリ擁壁化」で排水溝に変身させる工事
としている点も好感が持てました。
カミソリ堤防」と言わないところがミソなのです。
何故ミソなのかはあまり大きな声では言えないので、過去の記事をこっそり見て下さい!?

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2019年07月17日

1R1分34秒

直木賞と芥川賞が発表になったと聞いて、思い出した本があります。
つまらな過ぎてここに書く気が起きずそのままになっていたのですが…(笑)。

『1R1分34秒』そのタイトルと表紙の絵が目に入って買った本。
帯に160回芥川賞受賞作と書かれていたので、ボクシングがテーマで文学賞というのも
気になって読み始めてみたものの…。

フィクション、ノンフィクション問わず、ボクシング小説はこれまでかなり読みました。
その中で最も共感できず最も読みづらかった作品。
あとがきまで読んでみたら、著者の町屋良平氏が
 小説を書き終えてから取材することが多い。それは小説が先だって「現実である」という認識を盲信しているかもしれない。足場をたしかめたいという気持ちで人に話を聞きにいくことがある。
「1R1分34秒」という小説では、そのようにボクサーのコンディショニングについて小熊ジムの田之岡条選手に多くを伺った。

と書いてるのを見て、なるほどと納得した。

小説=妄想ありきで、そのあとに自分の書いていることは間違いないと思いたくて
編集者か何かに紹介してもらったボクサー一人の話を聞いただけかと。

一人称で書かれていて、登場人物もウメキチと相手選手以外は名前もなく
「女の子」とか「友達」とかで
作者の鬱々とした気持ちを負けが込んだボクサーのひねくれた心理として描写してる。
あんなものはボクサー心理とは思えない。妄想が過ぎるというか妄想も甚だしいと思えた。
だから全く共感できず、薄い本なのに読むのにずいぶん読むのに時間がかかった。
周りに対するリスペクトも何もない独りよがりで、トレーナーへの失礼な態度など
若者の心の屈折とは思えない。試合結果は描かれていないが
こんな選手負けてしまえ、と思えた。
自己陶酔、文学っぽい単語を連ねてみているだけ。
ボクサーが練習中も集中せず、そんなことを考えていたらそりゃあ負ける。
負けがこんでいるボクサーだから、それでいいのか!?
まさに小説が先だって「現実である」という認識からきたこじつけでしょう。

たぶん―私には芥川賞作品が肌に合わないんでしょう。
芥川賞をとった話題作だから読んでみるかと手にとった『火花』も馴染めなかった。

いや、賞をとる作品は馴染めないのか。
そういや同じくタイトルにひかれて買った「地図男」もつまらなかった。
強引すぎる物語。その無理矢理なストーリーを成立させるために
“地図男”という奇妙な人物を登場させたようなお話にしか感じなかった。
著者の真藤順丈氏はその後、第160回直木賞を受賞しているけれど
賞をとる人の文章ってこんな程度なの?と思うような文章でした。


ちなみにフィクションでも
百田尚樹の「ボックス」
角田 光代の「空の拳」
などはオススメ
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2019年07月02日

江戸を建てる

正月にやっていたNHK正月時代劇『家康、江戸を建てる』。
遅ればせながら先日原作を読みました。

ドラマではこのうちの2章
「金貨を延べる」と「飲み水を引く」だったのですね。
原作ではこの他に
「流れを変える」
「石垣を積む」
「天守を起こす」
で、タイトルに表現されていますが「金貨を延べ」る以外は
建設事業の物語と言って良い。
もちろん都市をつくるには経済も大事で、その経済のために
日本中で通用する通貨は大変重要です。
でもやはり社会基盤と言えば建設業。
5つのうち4つの章で取り上げられたのは誇らしい。

歴史小説に慣れていない人にもわかりやすく、時折"現代でいえば"
みたいな解説が文中に入るのですが
愛虎的には、せっかく小説の世界に入り込んでいたのに、
現代に引き戻されるようで、あまり好みではありませんでした。

"江戸を建てた"のは家康かもしれませんが
具体的に"建てる"仕事をしたのはここに出てくる家臣やそれぞれの技術者。
そういう事実を知るには良い小説だと思います。

家康、江戸を建てる (祥伝社文庫) [ 門井慶喜 ] - 楽天ブックス
家康、江戸を建てる (祥伝社文庫) [ 門井慶喜 ] - 楽天ブックス

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2019年04月03日

動画希望

樹木希林さんの遺作の一つとして話題になった「日日是好日」。
映画はもちろん原作も読んでおらず、手にとった。
 
日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)
日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)

母が昔「武田のおばさん」的な先生についてお茶を習っていたので
なんとなくそのしち面倒臭さは知っており、身近には感じていた。
本の中には度々美しい所作が出てくるのだけど、残念ながらそれが想像できない。
比較的丁寧に「茶筅で弧描くと、手首をくるりと返して―」とか
「右手の親指から」一本ずつ指を順番にずらして―」とか
お茶の動作を知っていたらもう、もっとイメージがわいたのに。
原作を読んで、映像で見たい!と思ったのは初めてです。
動きを動画で見て「なるほど〜」と納得したくなる。そんな作品。

「〇〇道」と呼ばれるものは茶道に限らず、すばらしい。
そういうものに若くして出会えた著者がうらやましい。


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2019年03月29日

トットてれび

NHKでやっていた『トットてれび』。
トットと言えば、言わずと知れた黒柳徹子さんのことですが
その黒柳さんを演じたこのときの満島ひかりさんがとてもよくて、
原作の『トットチャンネル』と『トットひとり』を立て続けに読みました。

“とてもよくて”という割には、原作を読むまでにずいぶんかかってしまいましたが
愛虎的にはまだつい最近―一昨年の秋くらいにドラマをやっていたと思ったらもう3年前!
それは最近に思えるくらい、鮮烈だったということで勘弁していただくとして。

ドラマ前半のジタバタしながらテレビという世界を作っていくのは
『トットチャンネル』に相当していました。
そしてドラマ後半は『トットひとり』に相当する部分。
一緒にテレビの黎明期を走ってきた仲間がどんどん去っていくので
少し物悲しくて切なくて。
その切なさの中に当時の人の温もりみたいなものを感じるドラマでした。

小説を読むと、ドラマのあのシーンはこの部分かと甦ります。
親や伯父伯母あたりが、まさに黒柳さんと近い世代だったので
当時の残り香みたいなものが、まだ手に届く範囲にあって
私自身“あの頃”を間接的に体感できている世代です。
だからその頃がだいたいイメージできて、
色んなものがアナログでブラックもいっぱいあったけれど
でもすべてがエネルギッシュだったよな、とても懐かしく思えます。

不便だったから、工夫が必要で、アイデアも出てきたし対応能力も養えた。
不便だったから、みんなでやることが必要で、一体感があった。
トットちゃんのいた現場だけでなく、世の中全体がそうだった気がする。
当時は今が“良い時代だったね”なんて言われるとも思わずに。
そういう2冊です。
もう平成も終わってしまうけれど、その前の昭和を感じたい人におススメかも!?

  新版 トットチャンネル (新潮文庫)  トットひとり (新潮文庫)
新版 トットチャンネル (新潮文庫) トットひとり (新潮文庫)

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2019年03月22日

ある日、ある犬

先日、恩師でもあり、大先輩でもある先生に会いました。
京都に行かれたお土産を渡したいとのことで、ランチをしたのですが
その時お土産と一緒にいただいたのがこれ。
アンジュール―ある犬の物語
アンジュール―ある犬の物語

フランス語のできる先生で仏語のタイトルの「UN JOUR,UN CHIEN」は
ある日、ある犬
だと教えてくれました。
まったく文章のない本当の“絵”本です。
「愛虎は絵心があるから、こういうの良いと思って」
と仰っていただきましたが、絵はもちろん犬好きな私にとってベストチョイスでした。

物語は読む人の心の中にあります。
犬の描き方が素晴らしく、かなり大雑把なデッサンなのですが
(きっとだからこそ)犬の表情までわかります。
私にとっては少し物悲しくて、何となく苦しくなる物語でした。

個人的には最終ページにあるもりひさし氏の解説はいらなかった。
少し感じ方が違ったから。それら全部読み手の想像に任せた方が良いのではと思った。

でも、とにかく自分では出会うことはなかったであろう本をプレゼントされることは嬉しい。

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2019年01月12日

できずじまい

たぶん年末のことだったかと思うが、テレビである絵本が話題になった。
ヨシタケシンスケさんの「おしっこちょっぴりもれたろう」
その一部を番組で紹介していたのですが、文章のリズムがとてもイイ。
その他に紹介された絵本もとても興味深くて、まずは1冊買ってみようと選んだのがこちら

結局できずじまい
結局できずじまい

男子ではないので“ちょっぴりもれたろう”の感覚はわからないのですが
「できずじまい」なことはたくさんあるので共感できるかな、と。
ビンゴ!です。ある、ある、ある。と言いたくなるような「できずじまい」が。

ボーリングとかお祭りとかリコーダーとかとか…

すっごいよくわかる〜〜。

ノートの落書きみたいな雰囲気に作ってあるところも好きです。
絵本だからあっという間に読めちゃうんだけど、他のも買ってしまいそうです。
フッと脱力したい時に良いかも。

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2018年11月06日

最前線の声から

夜のいくつかのニュース番組で4カ月前の「西日本豪雨」時の通信指令室の音声を
広島県警が公開したと報じ、公開された音声の一部を紹介していた。

この声を聞きながら思い出したシーンがある。
宮村忠先生の著書『水害』の序章である。
本が最初に書かれたのは1985年。今から30年以上前のことです。
大学時代にはじめてこの本を読み、メインの部分はなかなか解釈が難しかったけれど
このプロローグの臨場感に引き込まれたことを思い出す。
  水害―治水と水防の知恵 (中公新書 (768))

ここで書かれたのは110番ではなく、昭和57年長崎大水害時のへの119番通報の応答記録ですが
今回公開されたようなやり取りと全く変わっていません。
レスキューのような救助のプロだとしても、自然の前では無力であったこと
警察であろうと消防であろうと役所であろうと
同じく被災者であり、未曽有の災害時に人にやれることなどは限られているということです。
これは30年前から進歩していないということではなく
防災には限界があり、自然の猛威はいつでも人の想像を越えるということです。

情報公開時代の今でこそ、実情を知ってもらうために
こうした音声データをオープンにすることは、さほど驚くことではないけれど
30年前に現場の最前線を切り取ろうという発想はとても斬新だったことでしょう。
当時はそのデータを得ることも様々な手続きが必要だったでしょうし
出したがらなかったのではないかという気もします。

そこを切り取ることで、ややもすれば「治水」(行政が行う河川事業)だけで
水害を治めることができるという強気な考えに待ったをかけ
それぞれが水をどう防ぐか(=どう付き合うか、どこまで水害を許すか)という「水防」という
考え方が日本にはずっとあったことに注目し、
治水と水防の構図まで持って行くところは、今なお古びていません。
だからこそ出版から25年後に「改訂 水害」として再版もされています。
今日、公開された「西日本豪雨」の音声が、それぞれに何かを語りかけるように
改訂版から8年経った今なお、序章で描かれた衝撃は
「水害」とは何かを考えなさいと私に問いかけます。
  水害―治水と水防の知恵
水害―治水と水防の知恵

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2018年11月05日

300年のDNA

NHK大河ドラマ『西郷どん』がいよいよ明治時代に入り、
西郷隆盛が徐々に明治政府から離れていくことになるあたりを描き始めています。
“西郷どん”が主人公ですから、明治政府の堕落した姿が映し出され
明治維新という「クーデター」はなんだったのだろうかという疑問が浮かんできます。

ここ数年結構 大河ドラマで幕末が描かれています。
それらを見るにつけても、明治新政府については維新を肯定するために
かなり歪めて歴史解釈をされていたのではないのかなと思うわけです。
特に岩倉具視などはよくもまああれでお札の人物になったなぁと思いますし
山形有朋にしても、あんな汚職を働いても総理大臣になるんだなぁと驚いた訳です。

今年は明治150年ということもあり幕末について書かれた書籍などが再び脚光を浴びて
本屋で特別コーナーが作られたりしていますが
その中で何となく手にとった本『古写真で見る幕末維新と徳川一族』 (角川新書)があります。
写真がメインなのであっという間に読めたのですが
古写真で見る幕末維新と徳川一族 (角川新書)

徳川家のすごさに改めて感心するというか、
だてに300年もの間、日本を統治していたわけではないなと思いました。
結局のことろ、明治新政府よりも日本がどうあるべきか深慮し、
「無血開城」へ至った気がしますし
新政府になってからも、様々な形で国に貢献しています。
宗家、御三家、御三卿、御家門といったそれぞれの家がありますが
徳川家に伝わる文献や美術品が散財しないように財団を作ったり
私財で所縁の地に学校を作ったり、研究所を作ったり
300年統治したというDNAが国益を常に考える行動を起こさせるのでしょうか。

学校の「歴史」では、残念ながら幕末以降について到達するのは3学期の終わりの方で
駆け足で進んだ印象しかない。
我々の世代だと2代前(おじいちゃん、おばあちゃん)はまだ明治時代の人で、
ベテランの先生だったりすると、自分の親が明治生まれということもある訳で
ひょっとしたら「明治」がまだ“歴史”になり切っていなかったのかもしれない。
それでサラッとその頃の部分は流してしまい、あまり勉強した気がしていないのかも。

ちょっといくつか幕末関連の本を読んでみて、そのあたりのことを
きちんと整理して評価できたらなぁと思います。

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2018年10月31日

炎のスプリンター

「図書紹介」という新カテゴリーを作って、最初に紹介したいと思ったのが
先週読み終えた『人見絹枝〜炎のスプリンター〜』でした。
人見絹枝の名はオリンピックの日本初女性メダリスト程度は知っていました。
有森裕子さんが女子陸上では64年ぶりのメダルを獲得したことで、
その名前がクローズアップされたように思う。
 人見絹枝―炎のスプリンター (人間の記録 (32))

何年か前にたしかNHKで人見絹枝さんを取り上げていたことがあって
何か彼女について書かれた本はないのか探していたのですが、
この本を読んで改めて実感したのは、あまりにも短命で競技生活も短かったこともあって
人見絹枝さんを題材にした書籍はものすごく少ないのですね。

この本は彼女自身が書いた自伝というか練習日誌(記事?)を自伝風に編集したというか
そんな内容です。
大阪毎日新聞社の社員で、記事を書きながら競技生活をしていたのですね。
もともと文才があったのでしょう。
自分の体験を時には感情の浮き沈みや故障に対する考え方など交えて「報告」しています。
現代のスポーツ心理学にも通じるような(例えば試合時の適度な緊張感について)ことも
戦前にすでに気付いていますし、当時の競技の様子や各国の女性スポーツに対する
力の入れ方なども垣間見れて大変興味深い内容です。

また自分の後に続く選手育成。
その育成の為に、海外遠征にも連れて行くのですが
その時の資金繰りのアイディアや実現するために奔走したことなども
20代前半の若者とは思えない、洞察力・推進力がありものすごい人だと思いました。
仕事も競技も後輩の育成も全力でやる。国を背負ってメダル獲得を使命としている。
副題の「炎のスプリンター」はそんなところからもつけられたのでしょう。

ただその生涯は太く短かった。

2度目のオリンピック出場の翌年に、なんと肺炎であっという間に亡くなってしまう。
16歳ではじめて県の陸上競技会に出場した時から数えても
その競技生活はわずか8年。亡くなった年は大会への出場はないようなので7年とも言える。
もしも戦後までご存命であられたら、女子陸上界は―いや、日本の陸上界はもっと早く
メダリストを出していたのではないかと思う。
古本しかないけれど、他の本も読んでみたいと思うくらい魅力的な人でした。

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2018年09月11日

ふたたびウドウロク

5月にウドウロクが文庫版になって帰ってきました。
突如NHKをやめてのタイミングで、帯に
50歳目前の決断。
人生で一番悩んだ選択までの
本心をはじめて綴る。

とありましたから、ちょっと気になっていましたが
単行本で買っているしなぁと思っていました。

ところが母が我が家に単行本があるのを知らずに文庫版を買ってきて
読んでみる?というので、ウドウロクふたたび です。

過去の記事をみたら、もう4年も前に出ていたんですね。
そんなに経っていた実感はありませんでしたが、それじゃあ
文庫版の書き下ろしも数編収められているのかしら
と期待して読みました。
が…実際のところは
文庫版はじめに と
大人になってからの失恋
文庫版あとがき
の3本のみ。ページ数的にも10ページ程度。
ずいぶん盛って帯を書きましたね、新潮社。

まぁあのタイミングでああいう帯にすればもっと売れる
と思うのも仕方がないですが…。

という訳で、帯のような"本心をはじめて綴る"感はないですが
読み返してみてもやっぱり有働さんの文章とは相性がいい。
2度目でも面白い。

中の写真なども単行本と同じですから
単行本を買うほどでは…と思っていた方には、半額以下の文庫版おススメです。

単行本の装丁が黒ベースの写真だったのが、文庫版では白ベースになっているのも
ちょっと印象的かな。

ウドウロク (新潮文庫) ウドウロク

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2018年07月04日

君たちはどう生きるか

タイトルの通り吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』を遅ればせながら読みました。
読み始めてしばらくして松葉杖生活で両手がふさがり、
しばし通勤中の読書はできなくなってしまいましたが
足の復活とともに再開してようやく読み終わりました。

昨秋、宮崎駿監督が長編アニメからの引退撤回をし、次作に選んだのがこれ。
氏が選ぶくらいだから、どんなに名著なのだろうと気になっていました。
宮崎駿監督の影響なのかどうかわかりませんが、漫画版も出てブームになり
本屋では各種山積みになっていたので、どれを読むか迷いましたが
とりあえず情景などが絵になってしまっている漫画は却下。
奥付で初版が一番古い、岩波文庫のものを選びました。
最終的にあとがきを読んだところ、これが新潮社から本当に最初にでた
1937年刊行版を底本にしているとのことでしたので、正解でした。
(ポプラ社版は分量短縮で大幅にカットされている部分があるようです)

かつての子供の道徳書のようで、現代なら大人にも十分通用する内容でした。
しかも1937年―戦前に書かれた作品でありながら、当時の階級に対する批判や
反戦の意識が感じられます。

道徳の授業を復活させるにあたり、オエライ方々がこねくり回しているようだけれど
教材がどうのこうのゴチャゴチャやるくらいなら、
この本を一冊6年間かけてじっくり読み込めばいい。
当時の時代背景や「非国民」のという言葉が持つ様々な意味
叔父さんのノートに出てくる思想や歴史上の人物のこと
そういう部分にも広げていけば道徳以上の勉強にもなります。
ただし、20代の若い先生がそこまで広げられる力を持っているかというと甚だ疑問だけど。

そしてこれから読む人には、漫画版はやめることをお勧めしたい。
というのもコペルくんが見る普段の風景の描写が素晴らしいから。
文章から日本的な微妙な天候の表現などその情景をイメージして欲しい。
1章のちょっと湿った空の下の重たい風景。湿度が伝わってくるような文章など
今の人に読んでいただきたい。

そんな風に様々なことが学べる一冊に思えました。

君たちはどう生きるか (岩波文庫)
君たちはどう生きるか (岩波文庫)

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2018年06月14日

技術者の眼

kakokokokara-01.jpg朝刊で川崎市の総合福祉センターで かこさとし さんの展覧会が開催中との記事があった。
会期は昨日から明日までの3日間。

春先に、かこさとしさんの作品に
ダムをつくったお父さんたち―国際協力でチラタ発電所ができるまで
ダムをつくったお父さんたち―国際協力でチラタ発電所ができるまでという絵本が
あることを知りまして、興味を持ち始めたところでお亡くなりになり
あらためてかこさんが工学博士だったことなどもわかって
親近感すらわいてきていました。
kakokokokara-02.jpg
有名なだるまちゃんシリーズがやはり一番印象に残っているのですが
いわゆる可愛らしいキャラクターではなく、子どもにとっては
あのリアルな顔つきがちょっと怖くもあり
それでも惹かれる不思議な絵本でした。
それがかこさんが技術者だということを知ったら、リアルな感じは
技術者的観察眼なんだ!と すんなり納得できました。

昨日と今日は19時までやっているとのことでしたので、少し早く仕事を終えて行ってきました。
市内の北野書店さんが主催した小さな展覧会でしたが、なかなか見ごたえがありました。
『太陽光と光しょくばいものがたり』『できるまで・とどくまで鉄』の原画や
太陽と光しょくばいものがたり
インタビュー映像の上映、絵本の展示など、もりだくさん。
原画には今でこそ観光名所になっている「工場夜景」があり、
それが40年前に描かれたものということに驚いたり、とにかく工業や科学関係の絵に愛情があるように感じました。

絵本の展示コーナーは、さすがに書店が主催ということもあって、自由に手にとって見て良いのです。
土木の絵本や、川の絵本もあって、いつか買い揃えたいものばかりでした。
その中で見覚えのある絵本が何冊か。
暮らしをまもり工事を行ったお坊さんたち―道登・道昭・行基・良弁・重源・空海 空也・一遍・忍性・叡尊・禅海・鞭牛 (土木の歴史絵本 (第1巻)) 川を治め水と戦った武将たち―武田信玄・豊臣秀吉・加藤清正 (土木の歴史絵本) 技術と情熱をつたえた外国の人たち―モレル・ブライトン デ=レーケ・ケプロン (土木の歴史絵本 (第3巻)) 土木技術の自立を築いた指導者たち―井上勝・古市公威・沖野忠雄・田辺朔郎・広井勇 (土木の歴史絵本 (第4巻)) 海外の建設工事に活躍した技術者たち (土木の歴史絵本)

我が家にあるのがこれ
kakokokokara-03.JPG
全国建設研修センターから発行された絵本で、これまで作者をまったく気にしていませんでした。
全シリーズ手に入れたかったのですが、非売品。
申込のタイミングが合わず3冊しか持っていなかったのです。
市販版があったなんて知らず諦めていたのですが、これは絶対欲しいです。

来月からは、やはり川崎市で「かこさとしのひみつ展」が開催されるので
こちらも絶対に行きたいと思っています。


地下鉄のできるまで (みるずかん・かんじるずかん) か わ (こどものとも絵本) 絵巻じたて ひろがるえほん かわ (福音館の単行本) かわはながれるかわははこぶ (かこさとしの自然のしくみ地球のちからえほん)

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2018年04月26日

教えるということ以前

 新編 教えるということ (ちくま学芸文庫)
 新編 教えるということ (ちくま学芸文庫)

本屋でぶらっとしている時に気になり手にとった本です。
“伝説の国語教師”の教育書で、育児書としても注目を集めているという
ポップを見て“子供化”している大学生をどう教育するか
何かヒントがあるのではと思って読んでみました。

中身は講演録です。若手教師の研修会の講演を4編集めたもので
教育をする専門職としてのあるべき姿を厳しく説いています。
戦前から戦後、50年にわたって教壇に立ち続けた方ですので途中で教育制度も変わります。
その変わる時に新しくできた「中学」に飛び込んでいった経歴から
述べられているのは義務教育における教育についてなので
いくら幼稚な大学生と言っても、さすがに当てはめられる部分は少なかったです。

しかし仕事のプロになるという部分では耳が痛くなるようなことも。
例えば
――忙しいから研究するひまがない、ということをおっしゃる方がいます。私は、これは多くの場合、口実に過ぎないのではないかと思います。忙しいなどということは理由になりません。生きている人はみな忙しく、忙しくないのは病人か、役に立たない人のどちらかです。むしろ「忙しい仕事は忙しい人に頼め」と言われています。人に頼まれるのはその人に能力があるからです。―中略―やはり仕事のよくできる速い人に頼みますね。やりそこなわれては困るし、のろくては困るからです。そうするとますます速くなって非常に成長していくわけです。
なんてことは「研究」を別の言葉にいくらでも置き換えられます。

こんなことも仰っています。
いま、課長さんになにか言いつけられたとします。「これをやりなさい」と。「一生懸命やりましたが、できませんでした」とそういうことが言えますか。一度でも言ったら、一人前の人間とは思われないでしょう。一生懸命やりましたけれども、というのは、だいたい非常に甘えたことばだと思います。一生懸命やるのは、人間一人前ならあたりまえのことで、怠けてやられたらたまったものではないと思います。
これは会社ではこういうことは許されないけれど、教育界ではこういう言い訳をする教師がいる
という例で使われているのですが、現代では…どこでも(私も)こういう言い訳はしていますね。

またこんなすばらしい発想も。
――「同じ学年だったら、この人に友だちになってもらえるかしら」と思うことがあります。たぶんなってもらえないと思うのです。彼はあまりに優秀で、非常なひらめきを持っていて、私なんかほんとうにこの人の友だちになんかなれない(中略)気がして心から敬意を表してやまないことがあります。(中略)さしあたり年齢が小さくて、先に生まれた私が「先生」になりましたが、子どもの方が私より劣っているなんていうことはないのです。劣ってなんかいないので、年齢が小さいだけなのです。(中略)私の教えている子供がみんな私より上でなくて、私くらいのところでとまってしまったらどうしましょう。大変ですね。(中略)年が小さいゆえにわが教え子となってそこにいるにすぎません。
それこそ「先生」が「親」や「上司」に読みかえて通じる内容ですよね。

とても納得できるのですが、この考えを実践するのはなかなか難しい。
それこそ「一生懸命実践しようとしましたが―」と言えればまだ良い方で
「一生懸命」すらできないところでウロウロしていたりするものですから、
うーん、まだまだですね…。
まずはGWまであと1日。とりあえず明日を一生懸命過ごします。


posted by 愛虎 at 23:36| Comment(0) | 図書紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする